子宮の健康にもっと関心を持ちましょう。あなたには、まだ知っておくべきことがあります!
女性と男性の最大の違いは、女性が十月十日胎児を育てる大きな責任を担っていることです。そのために備わっている生殖器官──「子宮」は、新しい命を育む場所であり、「第二の心臓」とも呼ばれています。この心臓がなければ、女性の身体にはさまざまな影響が生じ、とくに重要なのは生殖能力を失うことです。そのため、男性にはない多くの婦人科疾患もあります。代表的なものに、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮頸がん、卵巣腫瘍などがあります。
今回は、子宮筋腫について取り上げます。
その原因はまだ明確ではありませんが、ホルモンが関係していると考えられています。子宮筋腫は子宮壁にできる筋肉の腫瘍で、女性によく見られる良性腫瘍の一つです。全身に転移するがんとは異なり、命に関わるものではありませんが、泌尿器系や消化器系など周囲の臓器に間接的に影響を与えることもあります。
よくある症状は、月経異常──生理痛、経血量の増加、期間の延長など。さらに、頻尿や便秘、下腹部の痛みも見られます。子宮は胎児が着床する場所であり、筋腫の位置と大きさによっては妊娠に影響を及ぼします。筋腫が子宮の外側にある場合はあまり影響がありませんが、内膜に近い位置にあると着床を妨げる可能性があります。そのため、子宮筋腫は体外受精を行う際にも重要な評価項目となります。
25歳以上の女性の発症率が高く、年齢が上がるにつれてリスクも増加します。特に更年期前の女性に多く見られ、更年期以降にはホルモンの分泌が減少するため、筋腫が縮小するケースもあります。
治療法は患者さんの身体状況に応じて異なりますが、主に2つの方向性があります。
妊娠を望まない人には再発を防ぐための完全除去。妊娠を希望する人には、子宮の機能を温存しながら症状を緩和する方法が採られます。
ただし、すべての患者に手術が必要なわけではありません。筋腫が4cm以上であれば除去により妊娠率が上がる可能性がありますが、それ未満であれば医師と相談して判断します。さらに、筋腫が「無症状」のケースもあります。また、他の疾患と症状が似ているため誤認されやすいのも特徴です。たとえば、重度の生理痛、月経期間の延長、周期の短縮、貧血、血行不良などがある場合には、子宮に異常がないかを疑ってみる必要があります。
女性は健康への意識をもっと高めるべきです。痛みに耐えられなくなってからではなく、早めに受診して治療のチャンスを逃さないようにしましょう。