卵子の質を高める黄金のカギ
女性の卵巣は倉庫のような存在で、生まれたときに卵子の数はすでに決まっており、増えることはなく年齢とともに減少していきます。35歳は卵子の質の分かれ道で、35歳を過ぎると急激に卵子の質が下がるため、妊娠以外の人生設計がある方は、35歳前に卵子を凍結する「ゴールデンタイミング」を逃さないことをおすすめします。35歳前に凍結した卵子は、解凍後の出産成功率も高くなります。
成熟した卵子が排卵されるまでには約90日かかります。
卵子凍結を検討している方は、その90日前（3ヶ月）から身体を整え、生活習慣を安定させ、卵子の質を高めていきましょう。良い卵子は、妊娠成功率を大きく向上させます。
凍結した卵子の数は妊娠成功率の目安になります。
受精卵は細胞分裂を繰り返し、胚盤胞となり、やがて人間として成長し誕生します。
すべての卵子が赤ちゃんになれるわけではありません。新鮮卵でも凍結卵でも、解凍、受精、胚発育、胚盤胞形成、着床、胎児成長、出産という長いプロセスを乗り越える必要があります。このプロセスすべてが試練であり、卵子の数と質は成功率に大きく影響します。
胚盤胞形成は非常に重要な発育ステップで、すべての受精卵が到達するわけではありません。解凍後の卵子の生存率や質は年齢に大きく依存し、若い卵子ほど成功率は高くなります。
卵子凍結時の年齢と卵子数から、おおよその妊娠成功率を推定できます：
35歳未満 → 20個で約90%出産成功
35～37歳 → 20個で約80%出産成功
38～40歳 → 30個で約70%出産成功
40～42歳 → 30個で約50%出産成功
43～44歳 → 30個で約30%出産成功
卵子凍結に適した方
AMH値が低い方
40歳未満でまだ出産予定のない方
早発閉経の家族歴がある方
婦人科疾患を持つ方
がん治療（化学療法・放射線治療）を予定している方
パートナーが無精子症の方
卵子凍結前の検査
AMH
卵巣の在庫を示す指標
CA125
子宮内膜症や子宮腺筋症のマーカー
超音波検査
卵胞数と成熟度を確認
卵子の質を高める栄養素（天然食品）
ゼラチン類（エストロゲンバランス安定）
オクラ、山芋、キクラゲ、海藻類、豚皮、豚足、ツバメの巣野菜類（葉酸、ビタミンA、B2、鉄）
ほうれん草、龍髭菜、チンゲンサイ、ブロッコリー、ズッキーニ、にんじん、かぼちゃたんぱく質（卵胞の発育に役立つ）
卵、サーモン、牛乳、かぼちゃの種、ピーナッツ、エビ果物（ビタミンCが豊富な抗酸化成分）
マンゴー、パパイヤ、釈迦頭、赤肉グァバ、竜眼、キウイ、ナツメ豆類（ビタミンE、B6）
小豆、大豆、豆乳、豆腐、黒豆、枝豆卵子を育てるには時間がかかります。何を食べるかよりも、正しい栄養を適量、十分な期間摂ることが大切です。
※服用前には必ず医師または薬剤師に相談しましょう！
コエンザイムQ10｜ 卵巣機能を維持し、卵子の質を高める。年齢とともに減少するため、適切な補充は体外受精の妊娠率を向上させることができる。
食品の供給源
植物類：大豆、オリーブオイル、ココナッツオイルなど
野菜類：ほうれん草、ブロッコリーなど
動物類：サバ、イワシ、マグロ、牛肉、鶏肉など
ナッツ類：ピーナッツ、クルミ、カシューナッツなど
葉酸｜ビタミンB9とも呼ばれ、赤血球、核酸、核タンパク質の形成を助ける。胎児の正常な発育と成長に貢献し、先天異常や欠損のリスクを減らす。妊活中から妊娠期にかけて欠かせない栄養素の一つ。
食品の供給源
濃緑色野菜類：ほうれん草、ブロッコリー、アスパラガスなど
果物類、ナッツ類、動物の肝臓、卵
レスベラトロール｜ 強力な抗酸化物質で、卵子の質を改善する。子宮内膜症の女性には抗炎症作用があるとされる。
食品の供給源
赤ワイン、ブドウ
ビタミンD3｜精子と卵子の質を高め、卵巣機能を改善する。妊活中や体外受精を行う夫婦にとって、妊娠率や成功率を向上させる。
食品の供給源
動物性食品（例：サーモン、イワシ、タイ、卵黄、干しエビ、フィッシュオイル、牛レバー、チーズ、強化ミルク）
DHEA｜ 性ホルモンの原料であり、体外受精を受ける低卵巣反応の女性において、卵子の採取数、受精率、妊娠率が向上するとの研究結果がある。
食品の供給源
山芋
ビタミンE｜ 脂溶性ビタミンで、血液循環を促進し、老化を防ぐ。子宮内膜の厚さ改善にも有効。2014年の研究では、補給によって妊娠までの期間を短縮できるとされる。
食品の供給源
主に植物油、次にナッツ・豆類、濃緑色野菜類。
凍結卵子に関するよくある質問
注射には長期型と短期型があり、医師が個人の状況に応じて処方します。長期型排卵誘発剤は1本で7日間効果があり、短期型は毎日注射が必要です。両方を併用することもあります。皮下注射が主流で、痛みは大幅に軽減されています。自宅で自己注射も可能で、苦手な方はクリニックで看護師が無料で対応してくれます。
採卵は午前8時〜12時に行われ、所要時間は約20〜40分（卵の数による）です。手術8時間前から絶食・絶飲が必要です。静脈麻酔下で膣エコーを使って卵子を取り出します。術後1時間ほど観察し、その日のうちに帰宅可能です。入院は不要です。手術中は眠っている間に終わり、ほとんど痛みはありません。少数の方が軽い生理痛のような痛みや膨満感を感じることがあります。
体への影響はほとんどありません。PCOS（多嚢胞性卵巣症候群）の方は薬への反応が強く、OHSSのリスクがあります。医師は薬の量を調整して副作用を防ぎます。卵子の在庫は出生時に決まっており、通常は毎月1～2個が成熟し、他は自然に消滅します。排卵誘発剤はこれらの卵を救い、成長させて採取するため、将来の卵子を使うわけではなく、閉経を早めることもありません。
現在の技術では、解凍後の卵子生存率は94%以上です。冷凍による卵子へのダメージはわずかで、研究では、凍結卵子から生まれた子供と新鮮卵子から生まれた子供の先天性異常の発生率に差はありません。液体窒素の条件下では、保存期間が長くなっても品質は劣化しません。
ガラス化凍結技術により、採卵した卵子は−196°Cの液体窒素タンクに保存されます。台湾の法律では保存期間は10年と定められています。33歳で凍結すれば43歳まで保存可能です。その後も妊娠を希望しない場合は、保存契約を延長できます。（胚凍結も保存期限は10年です）
