News

人工授精と体外受精の違い

社会のトレンドが変化する中で、晩婚・晩産が増加しています。しかし年齢の上昇とともに卵子の質も徐々に低下し、子どもを望んでもなかなか授からないカップルも増えてきました。前回は女性が最も見落としがちな器官である卵巣について説明しました。卵巣は卵子を貯蔵する倉庫であり、女性の生殖能力を維持するための鍵でもあります。卵子凍結によって妊娠困難を回避することができるほか、現代の医療技術では人工生殖によって妊娠の可能性を高めることも可能です。人工生殖は人工授精と体外受精に分かれており、以下ではそれぞれの流れと違いについて説明します。

人工授精の流れ

  1. 排卵誘発:月経1〜3日目
    卵子の数を増やし、人工授精の成功率を高めるため、手術前に注射や内服薬で排卵を促します。
  2. 卵胞の成熟度の追跡:月経8〜12日目(約3回通院)
    医師の指示に従って採血を行い、体内ホルモンの変化を観察しつつ、経腟超音波で卵胞の発育状況を確認します。
  3. 人工授精:月経13〜15日目
    質の良い精子を得るために、男性はアルコール、感染、過度の疲労を避け、2日間の禁欲が推奨されます。当日は自宅またはクリニックで採精し、1時間以内にクリニックへ提出します。
    胚培養士が精液を処理した後、医師が運動能力の高い精子を腟から子宮腔内に注入します。この処置に麻酔は不要で、数分で終了します。処置後30分ほど安静にして帰宅し、14日後に採血で妊娠判定を行います。

 

体外受精の流れ

  1. 排卵誘発:月経1〜3日目
    排卵促進のための薬剤(注射や内服薬)を使用します。採卵結果に影響を与えるため、必ず医師の指示に従って使用します。
  2. 卵胞の成熟度の追跡:月経8〜12日目(約2〜4回通院)
    医師の指示に従って採血を行い、ホルモンの変化と卵胞の発育を経腟超音波で確認します。
  3. 採卵・採精:月経12〜15日目
    全身麻酔のもと、経腟超音波ガイドで卵子を採取します。手術時間は卵子の数により異なり、手術後は回復室で1〜2時間休んでから帰宅します。男性は自慰により採精し、1時間以内に提出します。飲酒・感染・疲労を避け、2日間の禁欲が推奨されます。
  4. 体外受精:
    成熟した卵子を培養皿に入れ、処理された精子を加えて体外受精させます。精子の状態が悪い場合は、顕微授精(ICSI)を用いて受精率を高めます。
  5. 新鮮胚または凍結胚/胚盤胞の移植:
    受精卵が分割して胚となり、5〜7日目に胚盤胞になります。新鮮胚を当周期に移植するか、凍結して後日移植するかを選べます。

体外受精補助の拡充

 

2021年7月1日より、不妊カップルを対象に体外受精の補助金制度が拡充され、第1子について最大10万元(NTD)の補助が受けられます。

分享出去