生理中のさまざまな症状が示す意味とは?
妊娠を成功させるためには、母体が「妊娠を受け入れられる環境」を整えることが前提となります。そのため、自分の生理周期や子宮の状態に目を向けることは非常に大切な基本です。ここでは、よくある生理期の症状とその意味について説明します。
経血量が多すぎる、または徐々に少なくなってきた場合は早めの受診をおすすめします一般的に1回の月経周期における経血量は30~40cc程度。80ccを超えると過多(月経1時間にナプキンを交換する、1周期で1袋以上使用するなど)が疑われます。
経血量が少ない場合はホルモン分泌の乱れが関係していることが多く、薬で改善できることもあります。ただし、経血が以前よりも明らかに減ってきていて、妊娠を希望している場合は早めの診察を受けましょう。
正常な経血の色は暗赤色です。流れが遅すぎたり、経血が少なすぎたりすると、色が黒っぽくなることがあり注意が必要です。
経血に血の塊が混じることは珍しくありませんが、量が多い場合は診察をおすすめします。出産経験のない方は子宮頸部が狭いため、経血が一時的に溜まって塊になることがあります。ただし、大量の塊が続く場合は別の原因が考えられます。
生理中は下痢になりやすいですが、痛みが強くなるようであれば注意が必要です。プロスタグランジンという物質が子宮収縮を引き起こし、自律神経に影響して腸の動きが活発になるため、便意が増して下痢が起こりやすくなります。
生理中の下痢と強い腹痛が続く場合は、腹壁に子宮内膜症がある可能性があります。局所的な炎症を引き起こし、激しい痛みや下痢を伴うことがあります。
生理中にめまいや寒気を感じる場合は、貧血の可能性があります。経血量が多すぎると鉄欠乏性貧血になることがあります。採血で貧血かどうかを確認しましょう。プロスタグランジンの影響で血管が拡張し、めまいや吐き気が出ることもあり、薬で改善可能です。
生理痛が腰や太ももに広がることがあります。子宮と陰部の神経はつながっており、月経中に子宮が膨張すると周囲の神経叢に刺激が伝わり、腰や太ももの内側に痛みを感じることがあります。痛みがひどい場合は診察を受けましょう。
激しい腰痛や生理痛がある場合、子宮内膜症の可能性があります。子宮内膜症が骨盤内に広がると、月経以外の時期にも痛みが出ることがあります。専門医に相談してください。
生理痛には非ステロイド系の鎮痛剤(NSAIDs)を使うことが多いです。一部は痛みの神経に直接作用し、他のものは炎症を抑える効果があります。アレルギー反応に注意が必要です。
鎮痛剤は痛みが出る前に服用すると効果的です。痛みが始まってからでは効果が薄れる場合があります。
生理痛はよくあることですが、症状がひどい、または頻繁に起こる場合は、他の疾患の兆候かもしれません。一度婦人科を受診して原因を明らかにしましょう。
月経中のCA-125(卵巣がんマーカー)検査は避けましょう。数値が高く出る可能性があり、正確な判断ができません。
生理痛があるすべての女性は、一度婦人科で診察を受けるべきです。チョコレート嚢胞や子宮腺筋症などの病気が隠れている可能性があります。
不妊の原因はさまざまですが、子宮内膜症は非常に一般的です。妊娠がうまくいかない場合は、この疾患がないかどうか確認しましょう。