黄体ホルモンについて知ろう

黃体ホ是ルモンは女性ホルモンの一種で、妊娠において重要な要素のひとつであり、人工生殖治療の成功にも関わる鍵となるホルモンです。自然の黄体ホルモンは排卵後に黄体から分泌され、子宮内膜を着床に適した状態に変化させます。妊娠8週目以降になると、胎盤が自ら黄体ホルモンを分泌し始めます。子宮を安定させる黄体ホルモンが不足すると流産のリスクが高まります。

黃体ホルモンの働き：

１．胎盤の安定化
２．子宮収縮の抑制
３．子宮内膜を胚の着床に適した組織に変化させる
４．胎児を攻撃する可能性のある免疫反応を抑制する（胎児の遺伝子は半分が父親由来であり、異物と認識される可能性がある）。免疫疾患がある場合は12週まで延長することもあります。
５．粘度の高い子宮頸粘液の誘発
６．膣上皮細胞の増加を抑制
７．乳腺組織を含む乳房の発達を促進
８．プロラクチンの抑制
９．視床下部および下垂体前葉への負のフィードバック作用
１０．体温の上昇
１１．子宮内膜への血流と酸素供給の改善

治療で人工黄体ホルモンを使用する理由

新鮮周期：

刺激を受けた卵胞は、採卵後（自然排卵後に相当）に黄体になる必要がありますが、外部刺激を受けた卵胞は予定通りに黄体にならない場合や未成熟な黄体である可能性があり、採卵時に黄体を形成する顆粒細胞が取り除かれることもあるため、外部からの補充が必要になります。

冷凍周期：

ホルモン補充療法ではエストロゲンで内膜を整えるため、体内で黄体が形成されず、移植後は完全に外部から黄体ホルモンを補充する必要があります。

黃体ホルモン補充のポイントは中断しないこと、8週目まで継続

黄体ホルモンの補充には明確な上限はなく、定期的に吸収されていれば問題ありません。補充の種類や方法は医師によって異なり、特定の方法が最良というわけではありません。一般的に8週目まで補充し、その後は胎盤が自ら分泌を行い、出産まで続きます。

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